更年期のイライラを軽減するコツ
ご相談内容
ご相談者様:48歳、女性
更年期のせいか、最近イライラすることが増えました。人にあたってしまうのも問題なのですが、それ以上にモノ八つ当たりして家電製品などを壊してしまうことがあるのが自分でも情けなく思います。
家族は「栄養バランスが悪いからではないか」といい、魚嫌いの私の食生活に問題を感じているようです。やはりカルシウムなどの栄養素不足が大きいのでしょうか。
回答
ご相談くださり、ありがとうございます。
イライラすると、ついモノに当たってしまわれるということ、また、少し冷静になると、決まって自己嫌悪を感じてしまうというのも、よくわかります。
更年期にイライラしたり、反対にひどく落ち込んでしまったりするのは、気持ちを安定させる作用をもつ女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量が、不安定な波を描きながら減少していくため、気持ちのコントロールが難しくなるからと考えられています。
この現象は制御できないことですから、あまりご自分を責めないようにしてくださいね。
個人差はございますが、女性ホルモンのエストロゲンと似た働きが期待できる大豆イソフラボンを摂ることで、症状が軽減する場合もございます。
関連記事:大豆イソフラボン
また、更年期にはさまざまなストレスが重なりやすいため、強いストレスによって緊張した状態が続くと、自律神経のバランスが乱れてイライラしやすくなります。
ストレスが生じると、副腎皮質ホルモンとの関係でビタミンCが必要になります。その為、ビタミンCが不足しないように意識いただくことも良いかと思います。
ビタミンCは野菜や果物に多く含まれていて、野菜では菜の花やブロッコリーに特に多く含まれています。果物は食べ過ぎると糖分を摂りすぎることにもなりますので1日ぎゅっと握った握りこぶし1個分くらい以内の量を意識いただければと思います。
ビタミンCは熱に弱く、水に溶けやすいビタミンですので、サラダなどの生食、又は電子レンジや蒸し物、炒めものなどの短時間加熱の調理の方が損失を少なくできます。
その他のセルフケアとしては、自律神経のバランスを整えるような、深呼吸や自律訓練法などを取り入れる方が多いようです。
関連記事:今日からできる更年期のセルフケア7選
家族からのカルシウムの不足が原因?とのご指摘について
カルシウムには脳神経の興奮を抑制する働きがありますので、不足するとイライラの原因になるといわれることもあります。しかし実際には、血液中のカルシウムが不足すると、骨に蓄えられていたカルシウムが補われ、血液中のカルシウム濃度は保たれるようになっています。
ですので、栄養学的には日本人の食生活で、カルシウム不足が直接的にイライラの原因になることは考えにくい、とされています。
ただ、不足が続くと骨が弱くなってしまいますので、カルシウムが不足しないような食生活を意識いただく事はとても大切なことと言えると思います。お魚や乳製品以外に、大豆製品にもカルシウムは含まれています。
関連記事:知っていますか?更年期に大豆を食べるべきもう1つの理由
上記内容が少しでもお役に立てば幸いです。
イライラしてしまうのは、更年期女性共通の悩みです。悩んでいるのは1人じゃありません。大丈夫ですよ!
また、ご家族に更年期のことがうまく伝えられていなければ、これを機にイライラしてしまう仕組みについて理解してもらうことも考えてみてください。
またいつでもご相談くださいね。