ブドウ種子ポリフェノール
ブドウ種子ポリフェノール(プロアントシアニジン)の抗酸化力
ブドウ種子に含まれるポリフェノールは、その大部分が「プロアントシアニジン」という成分です。プロアントシアニジンは非常に強い抗酸化力をもち、“ポリフェノールの王様”と呼ばれています。
プロアントシアニジンは、紫外線など外的ストレスから身を守るために、ブドウやリンゴの果皮や種子に多く含まれていて、細胞を傷つけて体を老化に導く一因となる活性酵素の働きを抑える抗酸化作用があり、体を老化から守ってくれます。シミ、しわ、たるみなどお肌の老化が気になる方には要注目の成分です。
下のグラフは代表的な抗酸化ビタミンであるビタミンC、ビタミンE、ブドウ種子由来プロアントシアニジンの、ヒトの体内での抗酸化力を比較したものです。
その結果、ブドウ種子由来プロアントシアニジンの抗酸化力は、ビタミンCやビタミンEに比べて高いという結果が出ました。
ブドウ種子由来のプロアントシアニジンは抗酸化以外にも様々な効果が報告されており、その効果の体感や実感にかかる期間にも違いがあります。長く飲み続ければ、多くの効果を体感することができます。
様々な更年期症状を緩和
実際にプロアントシアニジンを使った臨床試験で確認された有効性を、これからご紹介していきましょう。
まずは40歳以降の女性に見られる、様々な更年期症状を緩和する効果についてです。
40~60歳の女性を対象にした臨床試験で、ブドウ種子由来プロアントシアニジンを毎日200mg摂取した結果、不安症状が摂取開始8週間後に非摂取群と比較して有意に改善され、不眠症状についても摂取開始8週間後に摂取開始前と比較して有意な改善が見られました。
同じ臨床試験では、疲労、めまい、頭痛などの身体症状やほてり(ホットフラッシュ)の症状も、摂取開始8週間後に摂取開始前と比較して有意な改善が見られました。
このように強い抗酸化力を有するブドウ種子由来プロアントシアニジンは、更年期女性に起こる様々な体調の変化を和らげてくれる力を持っています。
加齢によるお悩みを改善する効果も
ブドウ種子由来プロアントシアニジンの有効性は、それだけにとどまりません。年齢を重ねるにつれ気になってくる血圧や代謝、お肌などに対しても、その効果が認められています。
先程の更年期症状緩和効果を評価した同じ臨床試験で、血圧についても評価をした結果、ブドウ種子由来プロアントシアニジン摂取開始4週目で収縮期血圧(上の血圧値)が摂取開始前と比較して、また、摂取開始8週目で収縮期血圧(上の血圧値)と拡張期血圧(下の血圧値)がそれぞれ摂取開始前、非摂取群と比較して有意に低下することが分かりました。
また、筋肉量についても、摂取開始8週間後に非摂取群と比較して有意に増加しました。
また、脚のむくみについて評価した臨床試験の結果では、ブドウ種子由来プロアントシアニジンを1日133mg、2週間摂取した後にむくみが改善しました。
脚のむくみは細胞と細胞の間に過剰な水分がたまり、体液の出入りのバランスが悪くなることで発生します。血管機能が低下すると血液から体液が漏れやすくなり、むくみやすい状態になります。
ブドウ種子由来プロアントシアニジンは、その抗酸化力によって血管機能の低下を防ぐことから、むくみ改善にもつながります。
ブドウ種子由来プロアントシアニジンの継続摂取は、生活習慣病の予防にも効果的です。
1日400mgのブドウ種子由来プロアントシアニジンを2週間継続摂取した結果、中性脂肪、悪玉コレステロールと呼ばれるLDLコレステロール、および総コレステロール値が減少しました。また、善玉コレステロールであるHDLコレステロールも増加し、脂質代謝全体が改善されました。
不要なものを体外に排出するデトックス効果も、プロアントシアニジンにはあります。
ブドウ種子由来プロアントシアニジンを1日190mg、2週間摂取し続けると、便の中のインドールやクレゾール、スカトールなどの臭気成分の量が減少することで便臭が軽減されることが分かりました。
腸内でプロアントシアニジンが腐敗産物を吸着、体外に排出し、ビフィズス菌などの善玉菌が増えやすい環境に整えてくれると考えられています。
ブドウ種子由来プロアントシアニジンには、女性にうれしい美白効果も。上記はプロアントシアニジンが2段階でシミを改善するメカニズムを表しています。
まず、第1段階は「活性酸素の生成抑制」です。紫外線により皮膚には活性酸素が発生し、その害から守ろうとしてメラニン色素やメラニン細胞が増殖して、シミができます。ブドウ種子由来プロアントシアニジンには強い抗酸化力があるので、活性酸素自体の発生を抑えることができます。
そして第2段階はチロシナーゼという酵素の「活性を阻害」します。チロシナーゼはメラニンの生成を促進しますが、ブドウ種子由来プロアントシアニジンはこの酵素を阻害してくれるのです。そして、さらにはメラニン細胞の増殖を抑制してくれます。
このように2段階で内側から若々しい美白肌を守り続けてくれるのが、ブドウ種子由来プロアントシアニジンなのです。
実際に、シミ(肝斑)に悩む女性11名にブドウ種子由来プロアントシアニジンを1日160mg、1年間継続的に摂取した臨床試験では、摂取開始3カ月目からメラニン色素の程度を表すメラニン指数が着実に減少することが分かりました。
中でも、この試験に参加した34歳の女性(試験参加当時)は、飲み始めて6カ月後に写真のように明らかに肝斑が薄くなりました。春先になって紫外線量が増えた7カ月目からメラニン指数が多少増加しましたが、肝斑が悪化することなく、メラニン指数の上昇もかなり抑制されたことが分かっています。
ブドウ種子由来プロアントシアニジンは、肝斑を薄くすると同時に、濃くなるのを予防する作用も兼ね備えていることが確認されました。
プロアントシアニジンとは?
更年期女性の様々な健康維持・増進に効果的なプロアントシアニジン。そもそもどんな成分なのか、詳しくご紹介していきましょう。
まずは活性酸素についてご説明します。
私たちは絶えず呼吸をして、酸素を体に取り込み生命を維持しています。しかし、一部の酸素は不安定で、ほかの物質と反応しやすい「活性酸素」に変化します。この活性酸素は重要な役割(細胞内での情報伝達・免疫・代謝の調節など)もありますが、一方で細胞を傷つけてしまいます。活性酸素が過剰に発生すると正常な細胞も傷つけてしまい、肌、血管、心臓など、体のいたるところを酸化させ、老化を早めてしまいます。
また、ストレス、喫煙、紫外線なども活性酸素を発生させる要因です。若さを保ち、年齢を感じさせない健康と美容のためにも、活性酸素を過剰に発生させないことが必要です。
発生した活性酸素は体内に存在するいくつかの酵素で分解されますが、加齢に伴って、この酵素の発現率は低下してきます。特に40歳を境に、いわゆる“体内の抗酸化力”は低下していくことになるのです。
こうした加齢にともなう抗酸化力の低下を補うことができるのが、様々な抗酸化成分です。
ビタミンC、ビタミンE、β-カロテンなどのビタミン類、リコピンやルテインなどのカロテノイド類など様々な抗酸化成分がありますが、中でも抗酸化力が高い成分として知られているのがポリフェノールです。
ポリフェノールとはフェノール性の水酸基を有する化合物の総称です。
お茶などに多く含まれるカテキンという成分も、ポリフェノールの仲間。そのカテキンが複数個結合したのがプロアントシアニジンです。
プロアントシアニジンには多くのフェノール性水酸基があり、たくさんの活性酸素を捕捉することができるため、とても強い抗酸化力があるといえます。このため“ポリフェノールの王様”といわれているのです。このプロアントシアニジンはブドウの種子や赤ワインに豊富に含まれています。
このように女性の健康と美を強力にサポートしてくれるプロアントシアニジン。食品やサプリメントなどで、毎日の生活に積極的に取り入れていきましょう。
プロアントシアニジンが含まれる食品
ブドウ、赤ワイン、クランベリー、リンゴ、カカオ、小豆の種皮、落花生の皮、など