更年期の膣炎・膀胱炎・性交痛、原因と対策
更年期の膣炎・膀胱炎・性交痛の原因
女性ホルモン(エストロゲン)には膣粘膜を柔軟な状態に保ち、性的に興奮したときなどに分泌液を増やすはたらきがあります。そのため、更年期にエストロゲンの分泌が減少すると膣が乾燥し柔軟性が悪くなります。
人によっては、膣や膣周辺がかゆくなったり、入浴したときにひどくしみたり、灼熱感を感じたり、内診で激痛が走ったりすることもあります。おりものの増加で異常に気付くケースもあります。
また、膣の粘膜や周囲の皮膚も薄くなるため性交痛が起こりやすくなります。さらには、膣粘膜が薄くなることから、膣内の自浄作用が衰えて細菌に感染しやすくなり、膣炎になる場合もあります。
◆自己判断だけに頼らず、医師に相談を
性交痛には、膣のうるおい不足以外に、膣の炎症や子宮の病気などが隠れていることがあります。また、エストロゲンの減少は膀胱炎を招くことも。エストロゲンの分泌が低下すると、膣同様に尿道の粘膜も薄くなって細菌の侵入を許しやすくなります。その結果、起こる炎症が膀胱炎です。異変を感じたら早めに婦人科を受診しましょう。
膣炎・膀胱炎・性交痛の予防と対策
うるおいを補う
性交痛の対策グッズとして、男性器の挿入をスムーズにするゼリー剤、外性器(大陰唇、小陰唇)の乾燥にはデリケートゾーン専用の保湿液があります。膣のうるおいが少なくなると細菌感染を起こしやすくなるので、外陰部を清潔にすることを心がけることも忘れないようにしましょう。ゼリー剤などのケアグッズは薬局やインターネットの通信販売などで購入することができます。
パートナーの理解を得ましょう
性生活はふたりでお互いを思いやることが大切です。どちらか一方が不満を抱えたままでは、ふたりの関係までぎくしゃくしかねません。痛みがつらいときは、更年期の体の変化を伝えて、パートナーに理解を求めましょう。
トイレを我慢しない
膀胱炎の予防には清潔第一を心がけ、尿意に従ってすぐに排尿することが大切です。膀胱炎にかかってしまった場合は、排尿痛があるためトイレを我慢しがちになりますが、これも禁物。お茶などのあたたかい飲み物を多めに摂って頻繁に排尿すると、菌が早く排出されるといわれています。
数ある更年期の症状の中でも、特にデリケートな部位の話のためなかなか他人と共有できず、これが更年期の症状の1つだということに気が付きにくいかもしれません。いずれにせよ、我慢はNG。信頼できる婦人科の先生を見つけておくことや、パートナーとの話し合いも大事にしてくださいね。まず、自分が正しい知識を身につけておくことで状況の説明もしやすくなります。
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