更年期のめまい・耳鳴り、原因と対処法
更年期のめまいの特徴は?起きた場合の対処方法や危険なめまいとの見分け方を解説
「めまいが頻繁に起こるようになった」「めまいが起こりやすい原因を知りたい」。更年期世代の方は、このようなことに悩んでいるのではないでしょうか。
更年期にめまいが起こりやすい原因は、加齢による感覚器官の不調や、ホルモンバランスの乱れによるものだとされています。本記事では、更年期世代にめまいが起きやすい理由や、簡単にできる対処法について解説しています。めまいを予防するための方法についても紹介しているので、めまい症状に悩んでいる方は参考にしてください。
更年期の主な症状
更年期(おおむね45〜55歳)になると、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量のゆらぎにより自律神経のバランスが乱れ、体や心にさまざまな不調が現れます。更年期の主な症状は人によって異なりますが、のぼせや発汗、疲労感などの症状に加え、イライラしたり急に不安になったりすることもあります。
更年期のめまいの特徴
更年期のめまいは、「浮動性のめまい」と「回転性のめまい」に分かれます。主な特徴は、体がふわふわして地に足がついていないような感じがするのは浮遊性のめまい、そして吐き気をともない天井がぐるぐる回るような感覚があるものは回遊性のめまいです。
また比較的軽い症状として、めまいと一緒に耳鳴りが起こることもあります。これらは更年期症状の一つであるため、自然に治まる場合はとくに治療の必要はありません。
ただし、めまいの症状によっては、動脈硬化やメニエール病、突発性難聴などの病気が隠れている場合もあります。症状が重いと感じる場合は自己判断をせずに、医療機関で検査を受けるようにしてください。
更年期とは限らない危険なめまいの症状
以下のような症状が起こる場合は、別の病気が隠れている可能性があります。
●耳鳴りの症状が伴う場合
●めまいが1カ月以上続いている場合
耳鳴りの症状が伴う場合
めまいに耳鳴りの症状が伴う場合は、メニエール病や突発性難聴の可能性があります。
メニエール病とは、働き盛りの男性や更年期世代の女性に多く見られる病気で、難聴や耳鳴りを伴うめまい発作が起こります。回転性のめまい発作に加えて、吐き気や耳鳴りが1〜6時間程度続き、同様の症状が週に数回程度起こる場合もあります。
突発性難聴は主に40〜60歳代に起こる症状で、耳鳴りとともに左右の耳の一方または両方が聞こえにくくなります。初期症状としてめまいや吐き気を伴うケースが多いようです。突発性難聴はメニエール病のように繰り返すことはありませんが、早めの受診と治療開始をおすすめします。
めまいが1カ月以上続いている場合
風邪が治ったあとで、めまいが1カ月以上続いている場合は前庭神経炎の可能性があります。前庭神経炎は50代前後の男性に多く見られる病気で、回転性の激しいめまいが数日間にわたって続きます。
症状が治まるとそれ以降に激しいめまいは起こりません。しかし、体動時あるいは歩行時に軽いふらつきが長期間続く場合があります。前庭神経炎では、耳鳴りや難聴といった症状は現れません。
更年期にめまいが起こる原因
更年期にめまいが起こる原因は、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量が急激に減少することや、加齢による感覚器官の不調によるものとされています。また、精神的なストレスがかかりやすい時期にあることも原因の一つ。子どもの受験や親の介護、職場環境の変化など、自身での解決が難しい出来事がストレスとなり、自律神経のバランスが乱れる要因となるのです。
めまいが起きた場合の対処方法は安静にすること
めまいが起こったら、まずは安静にすることが大切です。無理に動こうとすると転倒する危険があるため、しばらくはその場にしゃがむなどして、じっとしているとよいでしょう。もし横になれるなら横になって、心と体を落ち着かせます。
めまいが生じた際に吐いてしまった場合は、横になる姿勢にも注意しましょう。仰向けになると吐しゃ物が気管に入ってしまうことがあるため、顔を横に向けて休むようにしてください。
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更年期トータルケアインストラクターの永田京子先生が、更年期ケアの「ちぇぶらチャンネル」で更年期のめまいと同時に起きやすい吐き気をラクにするツボを紹介されています。
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めまいを予防するための規則正しい生活とは
めまいを予防するためには、以下のような生活を心がけることが大切です。
●バランスの良い食事を心がける
●運動習慣を取り入れる
●サプリメントで必要な栄養素、機能性成分を補う
●自律訓練法でストレスへの対抗力を高める
ここからはその理由について解説していきます。
バランスの良い食事を心がける
めまいを予防するためには、血圧の安定を目的としたバランスの良い食事を心がけるとよいでしょう。塩分はできるだけ控えて、腹八分目を意識することをおすすめします。
食材は、血流を促し、自律神経のバランスが整うものを選ぶことが大切です。大豆食品やアーモンド、かぼちゃなどにはビタミンEが多く含まれているため、血流を促して自律神経のバランスを整える効果が期待できます。また青魚にはEPAやDHAが豊富に含まれており、血液をサラサラにする作用があります。
運動習慣を取り入れる
生活のなかに運動習慣を取り入れることで血流が促進されるため、めまいの予防につながります。運動を行う場合は、生活のスキマ時間に行えるものを取り入れるとよいでしょう。近くに出かける際はできるだけ歩くようにするほか、家事の合間に「ながら体操」を行う方法も有効です。
休みの日には、散歩に出かけて森林浴を楽しむのもよい方法です。副交感神経が優位に働いてリラックスできるだけでなく、幸福感をもたらすセロトニンも分泌されやすい状態になります。
サプリメントで必要な栄養素、機能性成分を補う
日々の食事で必要な栄養が摂取できない場合は、サプリメントで補うとよいでしょう。めまいの予防には、ビタミンEや大豆イソフラボン、DHA・EPAの摂取が有効です。
更年期症状に悩んでいる女性には、大豆イソフラボンの摂取をおすすめします。大豆イソフラボンの一つであるゲニステインは、女性ホルモン(エストロゲン)と構造が似ており、適度に摂取することで更年期症状の改善が期待できます。
▶更年期に摂りたい成分:ゲニステイン
自律訓練法でストレスへの対抗力を高める
過労や心労は、めまいや耳鳴りを引き起こす原因につながる場合があります。めまいを予防するためには、睡眠を十分にとり、ストレスや心配事をためこまないようにすることが大切です。
ストレスへの対抗力を身につけたい場合は、自律神経のバランスが整えられる「自律訓練法」を日々の生活に取り入れるとよいでしょう。自律訓練法とは、自己暗示の練習によって少しずつ全身をリラックスさせる訓練法のことで、疲労回復やストレスの軽減に効果的とされています。
自律訓練法は、以下の流れで行うとよいでしょう。
1.できるだけ落ち着いた空間でラクな姿勢になる
2.ゆっくりと呼吸をはじめる
3.目を閉じて、手足それぞれの「重さ」を感じていく
4.そのまま手足それぞれの「温もり」を感じていく
5.両手を強く握りしめたりパッと開いたりを3回ほど繰り返し、深呼吸をしながら目を開ける
6.終了する際は、手足の屈伸など決められた動作を行う
※就寝前に行う場合は(4)を行い、そのまま眠りにつく
生活習慣を改善してめまいを予防しよう
めまいが起きる主な原因は、加齢による感覚器官の不調や女性ホルモンの乱れ、ライフスタイルの変化によるストレスなどが挙げられます。めまいを予防するためには、日々の食事やスキマ時間での運動が大切なため、規則正しい生活を意識して生活習慣を改善するようにしましょう。
また、普段の食事やサプリメントでビタミンEや大豆イソフラボン(ゲニステイン)を意識して摂取することで、めまいや耳鳴りなどの更年期症状の緩和が期待できます。
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