更年期の肩こりと腰痛の対処法は?
ご相談内容
ちかこ様(48歳)
こんにちは。デスクワーク中心で、慢性的に肩や腰はこっていたのですが、最近特にひどいと感じています。
首から肩周り、背中まで重く、こわばる感じもあり、だるくてつらいと感じています。年齢のせいかと思っていたのですが、生理不順やのぼせる感じがすることもあり、気になっています。
ストレッチなど何か改善方法があれば教えてほしいです。
回答
ちかこ様、この度はご相談いただきありがとうございます!
肩や腰のこりが、最近特にひどくなってこられたとのこと、痛みやこわばり、だるさがあるのはとてもおつらいことと思います。
肩こりや腰痛は年齢を問わず起こりますが、更年期にはさらにその症状が悪化することが少なくありません。これは、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量のゆらぎにより、自律神経が乱れ、血液循環の悪化につながることが原因の一つと考えられています。血流が悪くなると、筋肉に酸素や栄養が行き届かなくなったり、また老廃物や疲労物質などの回収もスムーズにいかず肩こりが起こるといわれています。また肩こり以外に生理不順やのぼせる感じが気になられているということですので、更年期にさしかかり、不調が強くなっていることも考えられます。
そこで今回は、こりを和らげる、血流アップのためのセルフケアをご紹介したと思います。
★入浴や蒸しタオルで肩を温める
冷えている場合は、まずは冷えている部位を温めましょう。
日中であれば、蒸しタオルやカイロなどを、やけどしない程度の温度で20分程度、肩や首、腰にあててみましょう。また夜の入浴時には、40℃前後のお湯に10~15分程度浸かることで、体が深部から温まり、血液の循環も良くなります。 顔や額が汗ばむくらいを目安の一つにすると良さそうです。
★軽い運動やストレッチをする
肩こりや腰痛の緩和には、筋肉の緊張をほぐし、血行を促すことが有効です。仕事などで同じ姿勢を続ける場合などには、1時間に1度は休憩をとり、肩や背中、首回りを動かしましょう。
<肩回し>
両手を肩の上に乗せ、胸を張って肘で大きな円を描くように肩をゆっくりと回します。前回しと後回しを交互に、10回ずつ繰り返しましょう。
<首伸ばし>
右手で頭の左側を押さえ、ゆっくりと右側に倒し、適度な伸びを感じたところで10秒キープしてから戻します(左も同様に行います)。次に、両手を頭の後ろで組み、ゆっくりと前に倒して、適度な伸びを感じたところで10秒キープしてから戻します。
<肩の上下体操>
肩を上に思いきり引き上げ、ストンと落とします。これを10回繰り返しましょう。
また時間がとれるときには、軽めのウオーキングなどの有酸素運動で、リフレッシュと共に血流を改善して疲労物質を流してあげることもおすすめです。
★「大豆イソフラボン」を補う
体内で女性ホルモンと似た作用をする「大豆イソフラボン」を摂ることで、更年期の不調を緩和することが期待できます。
大豆イソフラボンは豆腐、納豆、豆乳などの大豆製品から摂ることができます。一日の摂取目安量の上限、70~75mgを目安に日々、下記を組み合わせながらコツコツと摂ることがおすすめです!
また、一定量の大豆食品を毎日食べることが大変な場合には、サプリメントを活用されるのも良いと思います。
<大豆イソフラボンを多く含む食品とイソフラボン量>
●豆腐1/3丁(100g)で約20mg
●納豆1パック(50g)で約37mg
●豆乳コップ1杯(200ml)で約50mg
★「ビタミンE」を補う
ビタミンEは、強い抗酸化作用を持つ脂溶性のビタミンで、体内の脂質の酸化を防ぐ働きがあります。同時に血行促進作用があり、皮膚の新陳代謝を高め、メラニンの排出を促すなどの働きもあるので、不足しないように日々補いたい栄養素の一つです。
<ビタミンEの多い食品>
●かぼちゃ、モロヘイヤ
●アーモンド、ヘーゼルナッツ
●ツナ缶
一方で、「ただの肩や腰のこりだ」と思っていても、思わぬ疾患が原因である場合がございます。がんこなこりが続く場合には一度、医師の診察を受けることも、あわせておすすめいたします。婦人科のなかでも、「女性外来」や「更年期外来」の看板を掲げているところは、更年期障害に積極的に取り組んでいることが期待できます。これから先々の健康を含めて、ご相談をされてみるのも良いと思います。
以上、一つでもちかこ様のお役に立てたらうれしく思います。
セルフケアは、継続することで効果が表れやすくなりますので、体調を見ながら、ゆっくりじっくりとお続けいただけるとうれしいです。
またいつでもご相談をお待ちしております!
<この記事を監修いただいた先生>
右田 尚子
キッコーマンニュートリケア・ジャパン(株)営業部所属 お客様担当
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