更年期の不調を食生活や夜の快眠法でケア
ご相談内容
まゆみ様(53歳)
体の冷え、頭のむくみ、毎日毎日違う症状があります。
車の運転も困難になるときがあります…夜も冷えやホットフラッシュでなかなか眠れません。
夫が病気をして、運転するのも歩くのも大変なときに…早く治る方法があれば教えていただきたいです。
回答
まゆみ様、この度はご相談いただきありがとうございます!毎日違う症状でお悩みとのこと、夜も眠れないご様子から、お疲れがたまっていないかと心配いたしております。ご家族のケアもされつつ、大変な日々を過ごされているのではないでしょうか…。
更年期(閉経の前後5年間、おおむね45~55歳の時期)にさしかかると、女性ホルモンの減少が見られるようになり、この急激な変化に伴う自律神経の乱れが原因となり、様々な不調が気になる方が多くいらっしゃいます。この症状は、まゆみ様もお困りのように多種多様なこと、個人差が大きいこと、また環境やストレスにより、症状がひどくなる場合もあります。
女性ホルモンの減少による不調自体のピークは、平均で2~3年、長くても5年ほどで治まるものとはいわれますが、「早く治る方法があれば教えていただきたいです」とのお言葉の通り、ご自身の不調を抱えたままご家族のケアをされるのは大変なことと思います。
そこで今回は「不調の時期を穏やかに乗り切るセルフケア」をご紹介できればと考えております!
まずは、女性ホルモンのゆらぎに起因する症状の緩和が期待できる成分についてご紹介いたします。
★大豆イソフラボンを補う
更年期特有の悩みは、女性ホルモン(エストロゲン)と似た作用をする「大豆イソフラボン」を摂ることで、症状(不眠、ホットフラッシュ、気分の落ち込み、疲労など)を緩和することが期待できます。
大豆イソフラボンは豆腐、納豆、豆乳などの大豆製品から摂ることができます。一日の摂取目安量の上限は、70~75mgといわれていますので、食品でいうと、
・豆腐1/3丁(100g)で約20mg
・納豆1パック(50g)で約37mg
・豆乳コップ1杯(200ml)で約50mg
の大豆イソフラボンが含まれています。
日々、コツコツと摂ることがおすすめです!
一定の量の大豆食品を毎日食べることが大変な場合には、サプリメントを活用されるのもよいと思います。
▼成分と効果についてはこちらからご覧ください。
★更年期に摂りたい成分★大豆イソフラボン
★ブドウ種子ポリフェノールを補う
「ポリフェノールの王様」とも呼ばれるブドウ種子ポリフェノール(プロアントシアニジン)は、その強い抗酸化力で、更年期症状(不眠、不安、疲労、ホットフラッシュなど)の緩和や、むくみやお肌の老化(シミ・しわ・たるみなど)予防にも効果があるといわれます。
プロアントシアニジンは「ブドウの種の部分」に多く含まれているので、ブドウを丸ごと食べたり、サプリメントを活用して手軽に補うこともおすすめです。
これらの成分は、日本産婦人科学会の「診療ガイドライン」にも掲載されておりますので、安心してお試しいただけるかと思います。
●診療ガイドラインー婦人科外来編2020
P190
更年期障害に対する漢方治療・補完代替医療はどのように行うか?
次に、快眠にいざなってくれる成分や生活習慣をご紹介いたします。
★トリプトファンを摂る
トリプトファンは、快眠を誘う「メラトニン」というホルモンを体内で作るのに役立ちます。
・乳製品
・豆類や穀類
・赤身の肉や魚
・バナナ
などに多く含まれます。またトリプトファンの他にも、ビタミンやミネラルなどもメラトニンを作るのに必要ですので、色々な食材をバランスよく食べる意識が快眠の役にも立ちそうです!
★GABA、テアニンを摂る
快眠に良い成分として、気分を落ち着かせる効果がある「GABA」や「テアニン」もおすすめです。
「GABA」は
・トマト
・ナス
・じゃがいも
・発芽玄米
などに含まれ、「テアニン」は
・緑茶(とくに玉露)
・紅茶
に含まれています。
こちらも、食品で摂れていないかも、と思われたときにはサプリメントで手軽に摂ることもできます。
また、リラックスやリフレッシュもかねて、スキマ時間に歩いたりストレッチをするなど日中に体を動かして血行を促すことも、夜の快眠につながります。
そして、寝る前には好きな音楽を聴いたり、アロマなども活用してリラックスした夜をお過ごしくださいね。
以上一つでも、まゆみ様のお役に立てたらうれしく思います。お忙しいご様子がうかがえますので、どうか無理のないようになさってくださいね。
セルフケアは、更年期の一時的な不調の改善だけでなく、これから先を美しく健康で過ごしていくためのケアにもなります。また、継続することで効果が表れやすくなりますので、まずは取り入れやすそうなものや続けやすそうなものから、試されてみてくださいね。
またいつでもご相談をお待ちしております!
※症状が強く日常生活に支障が出る、セルフケアを実践しても気になる症状に変化がない、などのお困りの状態が続くようであれば、受診を検討されることをおすすめします。
専門医を探される際のご参考といたしまして、日本女性医学学会ホームページ内の「女性ヘルスケア専門医リスト」をご紹介いたします。
更年期障害の治療に力を入れている医師や病院の多くは、患者の話に耳を傾け、つらい症状を緩和するための治療方針を立ててくれます。下記ページの左側地図より、お住まいの地域ごとの医療機関を検索いただくことができますので参考にしてみてください。
<この記事を監修いただいた先生>
右田 尚子
キッコーマンニュートリケア・ジャパン(株)営業部所属 お客様担当
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