【ホットフラッシュ】汗が噴き出す数十秒間の不快感を緩和したい!
ご相談内容
ぷぴら様
ホットフラッシュが2年前くらいから1日に何回もあります。朝目覚めたとき、ふとしたとき、寒暖差があるとき。自律神経の調節がしづらくなっているのは理解していますが、汗が噴き出す数十秒間の不快感を緩和したい。
回答
ぷぴら様、この度は悩みをお寄せいただきありがとうございました!
ホットフラッシュが日に何回もあるとのこと、おつらいですね。
不快感を何とか緩和されたいという、お気持ちも分かります。
更年期(閉経のタイミングの前後5年間、おおむね45~55歳の時期)にさしかかると、女性ホルモンの量が波打つようにゆらぎながら減少していき、この急激な変化に伴う自律神経の乱れが原因となり、発汗の症状が気になる方が多くいらっしゃいます。
ホットフラッシュ(ほてり・のぼせ)や発汗などの血管運動神経症状は、更年期の代表的な症状の一つで、場所や昼夜を問わずに起こるため、常に気になりストレスが溜まってしまったり、就寝中も体が熱く感じ何度も目覚めてしまうことで不眠を招く恐れもあります。
一般的に、女性ホルモンの減少による不調自体のピークは、平均で2~3年、長くても5年ほどで治まるものとはいわれますが、ホットフラッシュに関しては更年期以降も、およそ2割の方が感じているという研究結果もあります。
お悩みが非常に強く、日常生活に支障をきたす場合などには、婦人科の受診もおすすめします。
さて今回は、ご質問いただいた「汗が噴き出す不快感の緩和」につながるセルフケアをいくつかご紹介いたします。
~ホットフラッシュを予防・緩和する方法~
お悩みを緩和していくには、自律神経を整えるためのセルフケアが大切です。そこでまずは根本的な生活習慣の改善方法についてお伝えします。
★食事面★大豆イソフラボンを補う
大豆イソフラボンは、大豆の胚芽に多く含まれる成分です。
大豆イソフラボンは女性ホルモンに似た働きをするため、“植物エストロゲン“とも呼ばれています。
閉経後の女性は、自分の体でつくられるエストロゲンがとても少なくなっている状態です。そこで、エストロゲンと構造が似ている大豆イソフラボンが、エストロゲン受容体に働くと、ホットフラッシュを緩和する効果が期待できます。
大豆イソフラボンは豆腐、納豆、豆乳などの大豆製品から摂ることができます。一日の摂取目安量の上限は、70~75mgといわれています。食品でいうと
・豆腐1/3丁(100g)で約20mg
・納豆1パック(50g)で約37mg
・豆乳コップ1杯(200ml)で約50mg
の大豆イソフラボンが含まれています。
日々、コツコツと摂ることがおすすです!一定の量の大豆食品を毎日食べることが大変な場合には、サプリメントを活用されるのも良いと思います。
★運動面★定期的に体を動かす習慣をつける
ストレス発散、リフレッシュもかねて、体を動かして血行を促し、適度に汗を出すことも自律神経を整える方法としておすすめです。
定期的に運動することでホットフラッシュの症状が緩和できるという研究結果もあります。
運動の強度は「話しながら続けられ、軽く息が弾む程度」が目安で、1回30~45分の運動を週に3回行うのが理想的ですが、今よりもプラス10分、活動時間を増やすだけでも健康寿命は延びるといわれます。
トイレに立ったときなどにストレッチや軽い体操をする、スキマ時間に室内で動画を見ながらラジオ体操や筋トレをするなどは、暑さ・寒さの影響を受けず、快適に運動が続けやすくなります。また、まとまった時間がとれるときには、近所をウオーキングするのもリフレッシュや気分転換に良い運動になりそうです。
生活のなかで買い物を自転車や徒歩に変える、積極的に階段を利用するなども体を動かす機会を増やすことにつながります。無理のない範囲で少しずつでも動く時間を積み重ねてみてはいかがでしょうか?
~汗を一次的に抑える、目立たなくする方法~
ホットフラッシュは時間や場所を選ばずに起こるため、起きた際にすぐできる対策を知っておくだけで、心に余裕が出ると思います。また、汗が出てもまわりから気づかれにくい服装や、あわせて気を付けたい冷え予防となる対策もあわせてお伝えします。
汗を止めるツボを押す
今すぐに汗を止めたい!というときには、以下のツボを2〜3分、じっくりと指圧してみましょう。顔はもちろん上半身の汗を抑えたいときにも効果的です。
●大包(だいほう):みぞおちから真横に引いた線と脇から真下に降ろした線とが交わった場所にあるツボ
●屋翳(おくえい):バストトップと鎖骨を結んだ中間地点にあるというツボ
体温調節がしやすい、汗が目立ちにくい服を着る
更年期は暑さだけでなく寒さにも敏感になり、体温調節が難しくなります。
そこで冷えたと感じたら羽織る、暑いと感じたら脱げるようなカーディガンなどの羽織りを常備しておくのがおすすめです。
また汗をかきやすい暑い時期には、速乾性の高いポリエステル素材等もおすすめです。トップスには汗じみが目立ちにくい「色が濃いカラー」を選んだり、吸水性の良いガーゼやタオルハンカチを数枚持ち歩き、汗をこまめにふいて、濡れて冷えないような配慮もしてあげてください。
以上、一つでもぷぴら様のお役に立てたら嬉しく思います。
セルフケアは、更年期の一時的な不調の改善だけでなく、これから先を美しく健康で過ごしていくためのケアにもなります。また、継続することで効果が表れやすくなりますので、まずは取り入れやすそうなものや続けやすそうなものから、試されてみてくださいね。
またいつでもご相談をお待ちしております!
※症状が強く日常生活に支障が出る、セルフケアを実践しても気になる症状に変化がない、などのお困りの状態が続くようであれば、受診を検討されることをおすすめします。
専門医を探される際のご参考といたしまして、一般社団法人日本女性医学学会ホームページ内の「女性ヘルスケア専門医リスト」をご紹介いたします。
更年期障害の治療に力を入れている医師や病院の多くは、患者の話に耳を傾け、つらい症状を緩和するための治療方針を立ててくれます。下記ページより、お住まいの地域ごとの医療機関をご検索いただくことができますのでご参考ください。
<この記事を監修いただいた先生>
右田 尚子
キッコーマンニュートリケア・ジャパン(株)営業部所属 お客様担当
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