横隔膜を動かして深呼吸。効果的なイライラの抑え方【更年期体験談】
花子(55歳)
40歳で結婚したのを機に、もともと短気な性格に拍車がかかり、イライラすることが多くなりました。イライラの解消法やイライラしたときの対処法など、さまざまな方法を試した結果、自分に最適なやり方を発見。この経験は、自分を顧みるきっかけにもなりました。
長風呂の夫にイライラ
もともと短気ですが、イライラが増えたのを自覚するようになったのは、40歳で結婚してからです。生活環境が変化して生活のペースが乱れてしまい、物ごとが思い通りに進まずイライラすることが多くなったのです。
原因の大半は夫でした。夫は掃除や料理をしないし、風呂も長い。だいたい21時半頃にお風呂に入り始め、風呂から上がるのは23時頃。その後、私が入浴して風呂掃除まですると、風呂から出るのは深夜0時頃になってしまいます。もちろん、すぐには寝付けないので、午前1時半頃に床につき、翌朝は5時か6時に起床。そのため、慢性的な寝不足に陥ったうえに仕事が多忙になり、イライラは募る一方でした。当時は、更年期の影響もあったのだろうと思います。
アンガーマネジメントでイライラは抑えられる?!
夫が繊細なので、ずっとイライラを抑え込んでいましたが、一度だけ、夫にイライラをぶつけたことがあります。すると夫は、ひどい腹痛を起こしてしまいました。おかげで、夫の世話に時間を取られて仕事が溜まり、さらにイライラが募りました。
以来、イライラしたときは夫にぶつけず、夫が仕事で留守にしているときに、物に当たり散らして発散していました。しかし、その方法も効果がないどころか、扉を拳で殴りつけて壊したときは5万円かけて修繕するはめになり、イタイ出費になりました。
また、友人に愚痴を聞いてもらったり、腹が立ったときに6秒数えて怒りの感情をコントロールする「アンガーマネジメント」を試したりしました。この方法は、イライラの抑え方としては有効でしたが、根本的な解決にはならず、一人でガマンしながら心のなかで夫を責め続けていました。
お寺で説教を聞き、夫への感謝があふれる
イライラを抑えるためにいろいろなことをしましたが、一番効果があったのは、お寺通いです。そのお寺では、お坊さんが参加者一人ひとりに説教をしてくれます。ほかの参加者に対する説教も聞こえてきますが、最初は他人への説教は自分に関係ないと聞き流していました。しかし、「相手を責めてはいけません」「相手はあなたのために、精いっぱい頑張っています」と聞こえてきたとき、自分に向けて言われたような気がして、自分を顧みました。
夫は掃除や料理をしませんが、洗濯物を畳むほか、皿洗いやゴミ出し、車の運転もしてくれます。また、いやな顔ひとつせず実家に帰省してくれ、家族や親戚に優しく接してくれます。私は、そんな夫の努力を当たり前と考え、できていないことを探しては責めていたのです。そう気づいたとき、お坊さんの「相手はあなたのために精いっぱい頑張っています」という言葉がストンと腹落ちし、夫への感謝があふれました。
呼吸法を学んでたどり着いたイライラの抑え方
その後、友人から「思っていることは、言わないと伝わらない」とアドバイスをもらい、まずはお風呂に先に入りたいと、言葉を選びながら夫に要望を伝えました。すると、すんなり受け入れてくれたのです。以来、体が楽になり、気持ちも安定するようになりました。
最近、効果を感じたイライラの抑え方は、深呼吸です。呼吸が浅くなると、精神状態が不安定になると教わったからです。
スーッと深く息が入らないときは、横隔膜が正常に動いておらず、あばら骨に筋膜が癒着している可能性があるそう。それを知ってから、深呼吸をする前には、みぞおち辺りに指を入れて横隔膜を刺激したり、あばら骨の辺りをマッサージしたり脇腹を伸ばしたりして筋膜の癒着をはがします。すると、息がスーッと深く入りやすくなり、気持ちが穏やかになります。イライラしたときに限らず、不安を感じたり緊張したりしたときもこの方法で解消できるようになりました。
また、イライラしたときに自分を顧みる癖がついて夫を責める気持ちがなくなり、イライラした感情が長く続かなくなったのも大きな変化です。この状態を維持できるよう、今後も深呼吸とお寺通いを続けたいと思います。
花子(55歳) ※2024年11月時点
個人事業主。夫と二人暮らし。閉経後は、生理を気にせず旅行できる更年期を楽しんでいる。
<ワタシのセルフケア>ラッコやビーバーの動物動画を見ること。漫才で笑うこと。
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