誰にも言えない悩み…更年期のデリケートゾーンの臭いを対策したい

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更年期女性のお悩みを専門家に相談して解決するお悩み解決隊。今回は、誰にも相談できない究極のお悩み “デリケートゾーン(陰部)の臭い”について取り上げます。専業主婦のヒロミは、更年期になって、デリケートゾーンの臭いが気になって仕方がないようです。周りに気づかれているのではないかと不安な気持ちが募った彼女。今回、意を決して泌尿器科医師の佐藤亜耶先生のもとを訪ね、デリケートゾーンの臭い対策を聞いてきました。



更年期にデリケートゾーン(陰部)の臭いが気になるのはなぜ?

佐藤先生(以下、佐藤) ヒロミさん、おっしゃる通り、デリケートゾーンが臭うようになるのは、更年期が関係しています。女性ホルモンには粘膜の潤いや、皮膚をふっくらさせる作用があるのですが、更年期前後になると女性ホルモンの産生がぐっと減ってしまいます。そのため、デリケートゾーンの粘膜も薄くなって、乾燥するようになると、膣のなかにあった乳酸菌も減っていきます。もともと膣のなかの乳酸菌は、自浄作用として外からの不要なバイ菌を防いでくれるのですが、乳酸菌が減ると、バイ菌を防ぐ力が弱くなるそのため臭うようになるんです。

佐藤 いらっしゃいますよ。「スルメイカのような臭いがする」「燻したような臭いがする」という方や、「トイレの後に臭う気がする」「周りのみんなが、私が臭いような目で見ている気がする」という方まで。トイレで下着を脱いだときに、室内にワーッと臭いが漂うような感覚があるようで、トイレの後に消臭剤をかけて出てくる、という話も聞きますね。

あとは、臭いだけではなく、デリケートゾーンがヒリヒリする、かゆい、ムズムズする。そんな違和感や不快感を訴える方もいらっしゃいます。デリケートゾーンの不快感が刺激になり、頻尿になってしまうこともあるんですよ。結局はデリケートゾーンの乾燥からきていたということも多々あって、やはり更年期の症状の一つといえます。

佐藤 デリケートゾーンの潤いはバリアの役目を果たしているのですが、乾燥して過敏になると、痛みを感じやすくなるんですね。例えばトイレットペーパーで拭いただけで痛いという方もいます。肌と下着が擦れてデリケートゾーンの粘膜が刺激されると、その粘膜につながっている尿道の粘膜、さらには膀胱までムズムズが伝わり、尿意を感じやすくなってしまうんですね。「なんだかトイレに行きたいかもしれない」と、体全体がムズムズしてくる。その結果、トイレに駆け込むことが増え、頻尿になってしまうんです。

佐藤 「周りから“臭い”と思われている気がする」という患者さんからの相談は多いんです。実際、デリケートゾーンを診ると、確かに臭います。でも、普通に立ったり座ったりしたときに「デリケートゾーンが臭うな」と感じたことは、私はあまりありません。ただ、臭いが強いと周囲の方も感じることはあるのかもしれませんね。通常、トイレで下着を下げると臭いを感じるので、そのときの印象が続いて、いつも他の人に臭っているような気がしてしまうのではないでしょうか。

佐藤 気になってしまいますよね…でも、臭いが気になるからといってデリケートゾーン用のデオドラント商品などは使わないほうがいいですよ。かぶれの原因になったり、逆に悪化することがあるので。どうしても気になるなら、洋服の上から香水などで、少し香りをプラスしたらいいかと思います。


フェムゾーンのにおいが気になったら、デリケートゾーンの洗い方と保湿法をチェック




「それってダメだったの!?」うっかりやっているデリケートゾーンのNG習慣とは

佐藤 それ、一番やっちゃダメなんです!みなさん、「臭うからキレイにしたい」と、デリケートゾーンをやたらごしごし、タオルや石鹸で洗うんですが、それをすると自分が持っている大事な菌がさらに消えてしまって自浄作用がなくなり、臭いが悪化してしまうんです。ゴシゴシ洗い過ぎて、皮膚や粘膜を傷つけてしまうと、また菌が湧いて…と、とにかく悪循環!そんなに洗わなくていいんです。

佐藤 デリケートゾーンの臭いを悪化させてしまうNG習慣がほかにもあるので、ぜひここでチェックしてみてくださいね。


【デリケートゾーンの臭いを悪化させてしまうNG習慣】

●ボディソープでゴシゴシ洗い、保湿をしない

ボディソープで洗い過ぎると、良い菌を流してしまって臭いが出やすくなります。さらに保湿をしないとどんどん乾燥して、より菌が増えやすくなってしまいます。

●トイレの後に、尿道口を拭きすぎる

臭うのはデリケートゾーンに拭き残したおしっこが原因ではないかと、トイレットペーパーでゴシゴシ拭く方がいますが、それも絶対にやめてください。トイレットペーパーは当てるだけでOK。多少おしっこが残っても問題ないんです。デリケートゾーンの粘膜が弱くなっているところにトイレットペーパーで擦ると、それすら刺激になって出血する人もいるから、尿の水分をペーパーで抑える程度にしましょう。

●おりものシート、尿漏れパッドを常用する

おりものシートや尿漏れパッドを使うと、デリケートゾーンが密閉状態になってしまって、蒸れたりかぶれたりしてしまうんです。できるだけデリケートゾーンは風通しを良くしてあげないといけないので、必要のないときはおりものシートや尿漏れパッドを使わないほうがいいでしょう。尿漏れ症状がある人は漏れが気になるかもしれませんが、たまに漏れるくらいなら、むしろ尿漏れパッドをつけないほうが緊張感が出るので、少なくとも自宅ではつけなくていいのではないでしょうか。おりものについても、本当は使い捨て布ナプキン(後述)を使って対応するくらいがいいんです。

●ビデで洗い流す

トイレの後に、ビデで洗うのもNGです。ビデはぬるま湯ですし、大事な菌を洗い流して乾燥させてしまうだけなので、絶対にやめてください。




もう臭わせない!デリケートゾーンの洗い方と保湿方法を完璧にマスター

佐藤 皆さん、石鹸がしみて痛いのに、「きれいにしないとダメだから」と頑張って洗う人も多いんですが、逆効果です。痛いということは、乾燥していたり炎症が起こっていたりするサインなので、普通のボディソープは使ってはいけないんです。

また、洗う以上に大切なのが保湿。お風呂上がりの保湿はとにかくしっかりしてください。私は、質感が良くて刺激も弱いワセリンやオイルを皆さんにおすすめしています。保湿をしっかりするだけで、デリケートゾーンの臭いが改善されることも多いんですよ。せっかくなので、デリケートゾーンの洗い方、保湿のやり方をお教えしましょう。


●デリケートゾーンの洗い方

【準備するもの】
お湯、デリケートゾーン用ソープ

【手順】
基本的にはお湯をパシャパシャとデリケートゾーンにかけるくらいでいいです。とにかく自分の持っている菌を洗い流さないことが大事です。あとは、2、3日に1回、デリケートゾーン用のソープを使ってもいいと思います。ソープを使うときは、ひだの隅々まで洗う必要はなく、泡でふわふわ洗って、さっと流すくらいの適当さでOKです。
ボディソープは弱酸性といっても、デリケートゾーンよりはアルカリ性に近い成分なので、それが刺激になりますし、洗浄力が強いので乾燥してしまうんです。一方、デリケートゾーン用ソープは酸性に近く、膣も酸性。刺激が弱いので、安心して使えますよ。ぜひお気に入りを見つけてください。


●デリケートゾーンの保湿法

【準備するもの】
デリケートゾーン用オイルやジェル、ワセリンなど

【手順】
軽く水分を拭いてから、デリケートゾーンの外側に面している部分全体にオイルやワセリンなどの保湿剤を塗ってください。大陰唇というふっくらとした部分、小陰唇、ひだのなかにある尿道と膣の入り口にも塗りましょう。綿棒で塗る方もいるのですが、直接手で塗ったほうがベターです。あまり神経質にならず、適当に塗ればよいですよ。トイレの後に塗る場合は、ビデを使わず、そのまま保湿剤を塗ってください。

【アイテムの選び方】
普通のボディクリームだと粘膜に塗れないのですが、オイルやワセリンなら粘膜や膣の入り口にも塗れます。商品を選ぶ際は、刺激の少ないもの、デリケートゾーンの粘膜もOKというものを選ぶといいでしょう。私はデリケートゾーン専用のホホバオイルを使っていますが、今はネットでもデリケートゾーン用のオイル、保湿剤、ジェルやクリームがいろいろ売られています。ご自身で使ってみないと分からないと思うので、試して、気に入ったものを見つけてください。デリケートゾーン用のミストをシュッシュッとかけて保湿しても良いでしょう。

【回数】
ちょっと乾燥を感じるな、ヒリヒリするなと思ったら1日に何度でも塗って構いません
特に乾燥しがちな冬は、肌と同じようにデリケートゾーンも乾燥するので、冬場は保湿の回数を増やしたほうがいいです。反対に、夏は湿度が高いので、保湿の回数を減らしてOK。

【生理中のケア】
生理中にも、いつもと同じように保湿してください。経血で肌が潤っているように思うかもしれませんが、皮膚は乾燥しています。

【効果】
保湿をし始めると、早い人だと1週間くらいで「なんだかデリケートゾーンが変わった気がする」とおっしゃいます。1カ月ほど保湿し続ければ、デリケートゾーンの臭いも、ヒリヒリ感もなくなります。保湿剤はデリケートゾーンの皮膚を保護してくれるので、雑菌が湧きにくくなり、ヒリヒリやムズムズもだいぶ改善されるはずですよ。

テクスチャーが固めのクリーム

佐藤 デリケートゾーンが湿っているように感じるのは、多分蒸れているだけなんです。実際に皮膚の状態を見ると乾燥してペタペタしているんですよ。だから、顔と同じようにデリケートゾーンも保湿してくださいね。

佐藤 ヒロミさんはお母さんですもんね。それでは、お子さんのデリケートゾーンの洗い方についてもお伝えしましょう。


●子どもにはどう教える?デリケートゾーンの洗い方

子どもは新陳代謝が活発なので、古い皮膚がどんどん剥がれ落ちていきます。そのため、デリケートゾーンはそんなにゴシゴシ洗う必要はなく、お湯で洗い流す程度で十分です。汚れがひどい場合は、デリケートゾーン用ソープでときどき洗うと良いでしょう。
男の子の場合は、陰茎を普通のボディソープで洗ってしまうと、乾燥してカサカサになって、炎症を起こしてしまうことがあるので、ボディソープは使わせないでください。陰茎は皮が一番薄い部分なので、亀頭を剥いてお湯でシャーッと流すだけで十分です。

佐藤 ヒロミさん、ご自身のデリケートゾーンって鏡で見たことはありますか?見たことがないなら、一度よく見てみることをおすすめします。自分のデリケートゾーンの状態を知らないので、尿道や膣の入り口も分からない。どこが痛いのかも分からない。折に触れてデリケートゾーンを見るようにすると、今日はここが赤いなとか、ちょっとふっくらしてきたなとか、変化が分かるようになります。デリケートゾーンの様子が分かれば、洗うのも保湿も、きっとやりやすくなると思いますよ。



こんなにある!デリケートゾーンの臭い対策

佐藤 分かりました。いろいろありますので、ぜひ気になるものを試してくださいね。


【デリケートゾーンの臭い対策】

●レーザー治療で粘膜を再生させる

粘膜が薄くなって臭いが気になる、痛みもあるという場合、自費でレーザー治療を選択する方もいらっしゃいます。更年期の粘膜は自然の状態だと薄いままなんですが、レーザーで1回、粘膜を全部焼くと、細胞が再生して新しい皮膚に生まれ変わり、気になる臭いもなくなります。経験者の話を聞くと、そこまでの強い痛みはないという人もいますので、デリケートゾーンの臭いが気になって仕方ないなら、チャレンジしてみてもいいかもしれません。

●アンダーヘアを医療脱毛して蒸れを防止

デリケートゾーンのケアとして、自費での医療脱毛もおすすめです。

VIO脱毛と呼ばれるもので、股のVラインと、女性器周辺のI、肛門周りのOを、場所の形状に合わせてVIOと呼んでいます。Vの毛は多少あってもいいと思いますが、Iの部分の毛はなくても大丈夫。まだ生理が続いている場合、経血が毛にまとわりつくと、生温かくて栄養のある経血に菌が湧き、蒸れてかぶれやすいので、本当は毛がないほうが良いのです。ただ、毛はデリケートゾーンを保護する役割を果たしているので、脱毛するなら、その後はデリケートゾーンをきちんと保湿する必要があります。

ちなみに、すでに閉経した方でも、医療脱毛をする意味はあります。毛があると、皮膚が乾燥し、擦れて炎症が起きたり、毛嚢炎(もうのうえん)のような感染を起こしたり、刺激からかぶれたりすることも。そのため、Iの部分の毛はいらないですし、Oの毛も便が付きやすくなったりして良くないので、医療脱毛していいと思います。

ちなみに、自分で脱毛しようとすると、皮膚を傷つけることがあるので、できれば脱毛専門のお店でレーザーで処理してもらうことをおすすめします。

●下着は通気性の良い天然素材を選び、服にも気を遣う

下着は綿100%か、シルクなどの天然素材がおすすめです。化学繊維は通気性が悪いし、化学繊維のレースも質感が刺激になりやすいんです。デリケートゾーンが乾燥していると、少しの刺激でかぶれやすくなったり、かゆみが出たりしてしまうので、下着選びは慎重に。なお、ビキニやボクサータイプなど、ショーツの形に関しては、ご自身が履きやすいものを選べばOKです。

これから夏に向けて、汗もかきやすく、蒸れやすくなりますが、実はパンツを履かない“ノーパン”が、蒸れにはベストな対策なんですよ。夜寝るときや自宅にいるとき、ノーパンで過ごして通気性を良くすると、それだけで臭いが改善することもあるのでぜひ試してみてください。

また洋服も、だぼだぼのパンツやスカートのほうが、デリケートゾーンのためにはいいんです。パンツはちょうどデリケートゾーンの部分に布が集まり、固いことがありますよね。スキニータイプのパンツなど、タイトで密着度の高いパンツを選ぶと、どうしてもデリケートゾーンと下着が密着し過ぎて、擦れて痛くなりやすいんです。デリケートゾーンを圧迫しない服装選びも、大事なポイントです。

●使い捨て布ナプキンを使ってみる

前述のように、デリケートゾーンにとっては実はノーパンでいることが良いのですが、「下着のような布がないと心配」という方もいらっしゃいます。その場合にご提案しているのは、“綿100%の使い捨て布ナプキン”です。大手ネットショップなどにもいろいろと種類が出ていて、テープ付きで、ショーツのクロッチ部分に貼るタイプもあれば、テープ無しのタイプもあります。ノーパンのときにテープ無しの布ナプキンをくるくる巻いて、陰唇のひだに挟み込んで、おりものに備えるといった使い方もできます。経血が少ない生理の終盤にも使えますよ。

ただ、使い捨て布ナプキンの使い方として注意しなくてはいけないのは、あまりに違和感がなさすぎて、布ナプキンを挟んでいることを忘れて、うっかりそのまま排尿してしまうこと!水溶性の布ではないので、トイレにそのまま流すことができず、その都度便器から拾う必要があります(笑)。

●乳酸菌サプリを飲む

膣用の乳酸菌サプリを摂るのもおすすめです。前述のとおり、更年期になると乳酸菌自体が減り、自浄作用がなくなるので、バイ菌がデリケートゾーンに入ってしまうと、臭いも出ますし、膀胱炎を繰り返すこともあるんです。そういう方には、デリケートゾーン用の乳酸菌サプリを飲んでいただいているんですよ。

ちなみに乳酸菌にはたくさんの種類があって、腸にいる乳酸菌とデリケートゾーンにいる乳酸菌は全く別。デリケートゾーンの臭いが問題なら、デリケートゾーン用の乳酸菌サプリを選んでくださいね。

●大豆イソフラボンを摂る

大豆イソフラボンは、女性ホルモンと似た役割を果たすので、更年期症状の緩和に期待して日常的に摂るのも良いでしょう。

ただ、大豆イソフラボンがデリケートゾーンの臭いの改善に直結するかどうかは不明です。デリケートゾーンの症状は、口から食べ物を摂ってもなかなか改善しないといわれていて、むしろ直接デリケートゾーンに塗ったほうが効果がある場合が多いので、女性ホルモン・エストロゲンの働きを補い、肌の潤いアップを期待して、毎日の健康習慣の一つとして大豆イソフラボンを摂取することはプラスだと思います。



●良質な睡眠をとる

デリケートゾーンのためというより、まずは体調のために、睡眠をとることはとても大事です。良質な睡眠がとれていないと、自律神経が乱れ、免疫が落ち、感染を起こしやすくなります膀胱炎や膣炎になってしまうこともあるんですよ。

良い睡眠のためには、まずは、就寝の1時間前くらいにお風呂に入り、39~40度くらいのぬるま湯に15~20分ほどしっかり浸かること。血の巡りが良くなって体が温まります。その後に寝ると、睡眠の質も良くなり、膀胱の働きも改善されるといわれています。

また、寝る前に心が安らぐ音楽を聴くとか、アロマを漂わせるのもおすすめ。眠れないからといってスマホを見たりせず、眠りの環境を整えましょう。

不眠の改善には漢方薬を試してもいいかもしれません。イライラして眠れないなら抑肝散、不安で眠れないなら酸棗仁湯など…。ドラッグストアで買ったり、婦人科や睡眠外来で相談したりして、ご自身に合った漢方薬や睡眠導入剤を処方してもらうのも手です。

●運動をする

運動することはとてもいいと思います。運動すると血の巡りが良くなり、代謝も良くなるので、デリケートゾーンの症状、泌尿器的な問題や頻尿は改善します。日光を浴びたり、外で運動するだけでも免疫が上がるので、軽い運動を続けましょう。通勤中に歩くだけでなく、プラスαで運動ができるといいですね。



デリケートゾーンの臭いが気になる…そんなときのクリニック選び

佐藤 ちょっと臭うくらいなら、洗い過ぎをやめて保湿するのが一番だと思うんですが、もしそれでも臭いや症状が気になるようだったら、お医者さんに相談してください。保湿やケアの方法を教えてもらうこともできますし、膣炎のように菌に感染している場合はすぐに治療に入れます。デリケートゾーンが変な臭い、いつもと違う臭いがするように思ったら、相談するといいでしょう。基本的には、内診台で膣のなかまで診てもらえる婦人科に行くのがいいと思います。

佐藤 細菌性膣炎のように膣に炎症が起こっていれば、抗生物質のような薬が必要になるでしょうし、皮膚の炎症が原因なら、炎症を抑える治療になります。抗生物質は飲み薬のこともありますが、膣錠といって、膣のなかに入れる抗生物質もあるので、そういった治療法も考えられますね。

佐藤 そうですね。自分の体感だけだと、臭いが実際に良くなっているのかどうかは分からないと思うんです。「ケアはしたけれど、本当のところどうなの?」って。

そんなとき、クリニックで「大丈夫、もう臭っていませんよ」といってもらえたら、「よかった、これで友達と気兼ねなく会える!」という気持ちになれるんじゃないかと思います。治療をすれば、デリケートゾーンの臭いは改善しますから。




デリケートゾーンの臭い対策は、これからの人生を明るく楽しくしてくれる

佐藤 皆さん、「デリケートゾーンの悩みがあるのは私だけかしら」と思ってしまいがちなんですが、決して自分だけではないので安心してくださいね。

私の専門の泌尿器科ですと、頻尿や尿漏れとか、デリケートゾーンがかゆいとか、そういったお悩みが多いのですが、デリケートゾーンの問題を一人で抱えこむのではなく、女性泌尿器科や婦人科の先生に、どんなことでもいいから相談してもらうといいと思います。そこから一歩前に進めますから。「こんな症状で相談に来たの!?」なんていう人はいないと思います。

私のクリニックにいらっしゃる方は、“誰にも相談できずにいた”という方が本当に多くて、皆さん年齢のせいだからしょうがない、と諦めてドアを叩かれるんです。でも、治療すると頻尿やデリケートゾーンの症状が良くなって、表情も明るくなっていく。デリケートゾーンの臭いに悩まれたら、タイミングをみて相談されるといいと思いますよ。

佐藤 きっと変わりますよ。毎日が明るく、楽しくなると思います!行動範囲が広がったり、できることが増えて、人生がより楽しめるはずですよ。例えば尿漏れ、頻尿に関しても、臭いについても、それが原因で友達に会えない、旅行に行きづらい、外に行きたくない、と思ってしまいがちですが、デリケートゾーンの悩みがなくなると行動範囲が広がって、自分で新しい趣味を見つけたり、海外旅行に行けたりと、メンタル的に絶対いいはずです。

職場でも、「トイレが1つしかないので臭いが残る気がして、トイレに行けない」という方もいらっしゃるんです。もちろん対処法として、トイレの後に消臭剤を撒くというのも一つの方法ですが、そもそも自分のデリケートゾーンの臭いが改善できたと思えれば、普通にトイレに行けるようになりますし、もっと前向きになれます

佐藤 皆さん、繰り返しになりますが、デリケートゾーンの洗い過ぎをやめましょう!洗い過ぎると余計に臭いがひどくなりますよ。そして、洗った後は保湿をしっかりとね。また、デリケートゾーンの悩みは、一人で悩まず、婦人科や泌尿器科の先生を頼ってくださいね。いいと思ってした方法が実は逆効果だったりもするので、悩んだらプロに相談してください。


<この記事を監修いただいた先生>

佐藤 亜耶 先生
自由が丘ウロケアクリニック院長
詳しいプロフィールを見る

ヒロミ

ヒロミ
45歳。夫と小学生の子ども2人の4人家族。結婚を機に仕事を辞め、現在は専業主婦となり家庭優先の生活をしている。約2年前から手足のしびれがあるほか、生理周期が短くなり、生理前には頭痛も。冷えや寝つきの悪さにも困っている。

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