更年期に食欲不振でも食欲の秋を楽しむ方法
更年期は自律神経のバランスが乱れ、食欲不振や胃腸の不調が起こりやすい
秋が深まり飲食店やスーパーに旬の食材が並ぶと、今日は何を食べようかしら？と気持ちが弾む人がいる一方、中には、食事のことを考えると気持ちがふさぎがちになる人がいるかもしれません。というのも、更年期の女性は、胃腸の不調や食欲不振を起こしやすくなるからです。
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本来、胃に食べ物が入ると、蠕動運動（胃を伸縮させて）をして、食べ物を消化吸収しながら腸へ送り出します。
こうした一連の動きは、自律神経がコントロールしています。自律神経は文字通り自律していますので、自分の意志で動かすことはできません。
自律神経には、活動している時や緊張している時に働く「交感神経」と、休息している時やリラックスしている時に働く「副交感神経」があります。交感神経と副交感神経は、よくシーソーに例えられますが、お互いにバランスを取り合いながら、補い合うように働いています。
ところが更年期を迎えると、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量がゆらぎながら減少する影響で、このバランスが乱れてしまいます。また、緊張したり、ストレスを感じたりすると交感神経が優位になりますが、更年期は女性を取り巻く環境も変化が大きくストレスを感じる出来事も増えるため、交感神経が優位になりがちです。
シーソーはどちらか一方に傾いたままでは機能しません。それと同じで、交感神経と副交感神経は、どちらかが常に働き過ぎてもうまく機能せず、それは体の不調となってあらわれます。
胃腸は副交感神経が優位になると活発に動きだすので、交感神経が優位になりがちな更年期は、食欲が湧かなったり、胃腸の調子が不調になったりしやすくなると考えられています。
更年期女性におすすめの対策4選
対策①量より質、そして食事の時間を楽しむ
☆食事は量より質を大切に
食べられないことがストレスになるのはよくありませんので、量より質を重視して、滋養のあるものを中心に食べるようにしましょう。一回分の食事を少量にして、食事の回数を増やすのもおすすめです。
どうしても食欲が湧かない時に助かるのは食材をコトコト煮込んだスープです。柔らかくなった具材は消化も助けてくれます。スープをストックしておき少量のごはんと一緒に煮込めば滋養に富んだ雑炊が簡単に完成します。
☆食事の時間を楽しもう
食事の時間をリラックスできるものにしましょう。料理が好きな人は凝った料理に挑戦するのもよいですね。好きな音楽をかけたり、ランチョンマットやナプキン、器、箸、箸置き、テーブルフラワーなど、食卓を彩る小物を自分の好きなものにしたりすると食事の時間が楽しくなります。
家族がいると、どうしても自分以外の食の好みを優先してしまう人もいるかもしれませんが、この時期は好きな物を並べましょう！自分も大切な家族の一員です。
対策②適度な運動は一石二鳥
適度な運動によってエネルギーを消費し、お腹を空かせましょう。ウォーキングや水泳は、全身を動かして汗をかきます（水泳も汗をかきます）のでリフレッシュにもなり、また、自然に呼吸が深くなります。
深呼吸は副交感神経を優位にしてくれますので、適度な運動は自律神経のバランスにも良い影響を与えてくれます。
対策③ツボを押す
胃や腸の動きをよくするツボ押しもおすすめです。「足三里」は胃腸の働きを整えるツボ、「三陰交」は、全身の血流を上げて胃腸を温めて働きを促すツボです。どちらも足にあるツボなので、テレビを観ている時などに押したり、お灸やシール鍼で刺激したりするのもおすすめです。
対策④体を温め、亜鉛を補いましょう
冷えや亜鉛不足もまた、食欲不振の原因になることがあります。
更年期は、体温や血流がうまく調節できず、体が火照ったり冷えたりすることもあります。また、基礎代謝も落ちるので、熱を作りだす力も不足しがちになり、体は冷えやすい状態に。
冷えを感じやすい人は、薬味が強い味方です。
しそ・みょうが・ねぎ・ゆずには消化促進・食欲増進作用が、唐辛子・大根・しょうがには身体を温める作用があります。意識的に使ってみましょう。
ミネラルのひとつ「亜鉛」はかきや卵、ごまなどに多く含まれます。とはいえ毎日摂るのもなかなか大変なので、食事の補完として亜鉛が摂れるサプリメントを利用するのもおすすめです。目的がしっかりしていると、サプリメントを飲み忘れることも少なくなるでしょう。
更年期は心身に不調があらわれやすく、食欲においてもこれまでとの変化を感じることがあります。美味しいものを食べることは心も満たしますが、逆もまた然り。
秋から冬にかけては多くの食べ物が旬を迎えますから、この時期にしっかりと体を整え、ココロもおなかも満たしましょう！
