3つのケアで更年期の肩こりをかる~く
なぜ起こる?更年期の肩こり
「肩の荷が下りる」「〇〇の肩にかかっている」などの慣用句に代表されるように、肩は責任など重いものを背負う部位の象徴となっています。そのせいか、肩こりが酷いと全身もなんとなく重く感じてしまいますよね。
更年期は、女性ホルモン(エストロゲン)がゆらぎながら急激に減少することによって、自律神経のバランスが乱れ、さまざまな不調が現れやすくなります。肩こりもそのひとつです。
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自律神経は、生命を維持するための呼吸や心拍、代謝、血圧、消化などをコントロールしています。
『暑くなると汗をかいてからだの熱を逃がし、寒くなると筋肉を収縮させてからだの熱をつくる』
こうした体温調節も自律神経がコントロールしていますが、酷使されると、そのバランスが乱れやすくなります。
ガンガンに効いた冷房と外気の温度差から、夏に自律神経のバランスが乱れやすいことは有名ですが、1日の中の寒暖差が大きく外気との温度差も広がりはじめる晩秋から初冬も、自律神経のバランスの乱れに注意が必要な時季ともいえます。
自律神経のバランスが乱れて起こることのひとつに、血行が悪くなることがあります。血行が悪くなると、肩周りの筋肉に新鮮な酸素と栄養が届きにくくなります。加えて、加齢により肩を支える筋肉の筋力や柔軟性が衰えはじめるため、更年期には肩こりが起こりやすくなると考えられているのです。
肩こりを緩和する3つのセルフケア
(1)肩こりに効くツボを押す
肩こりはストレスによっても起こります。肩には肩井というツボがあり、ここを指で刺激したり、家族に押してもらったりしてみましょう。誰かに肩にふれてもらうことで、リラックスでき、緊張がほぐれやすくなります。
(2)ホットタオルで肩を温める
ホットタオル(水で濡らしたタオルを500Wの電子レンジで30秒加熱)を肩に乗せると肩が温まり、血行が促されます。くれぐれもやけどにはご注意を!
(3)お風呂でリンパマッサージ
お風呂にゆったりのんびり入ることでリラックスでき、全身の血行も促されます。特に寒い時期は、縮こまった筋肉をほぐす意味でも体を温めることが重要です。できる限り、毎日湯船に入ることを心がけてください。このとき、耳の下から肩、肩から鎖骨へと手のひらを滑らせて、リンパマッサージしてみましょう。老廃物などを含んだリンパ液が押し流されやすくなります。
また、全身の筋力や柔軟性の衰えが姿勢の悪さを招き、肩こりにつながってしまいますから、ウォーキングなどの有酸素運動や自分の体重を負荷にした筋力トレーニング・ストレッチなどを毎日の習慣に取り入れてみましょう。
更に、年齢と共に、体内の筋肉の合成力は衰えるといわれています。筋肉量を保つために、筋肉の材料となるたんぱく質を上手に摂ることが大切です。
たんぱく質は、肉や魚だけでなく、大豆や大豆製品、卵、乳製品にも豊富に含まれています。特に大豆は、女性ホルモンのエストロゲンと化学構造式や体内での働きがよく似ていますし、骨を丈夫にするカルシウムも多く含んでいますので、積極的に摂ってください。
適度な運動とバランスの良い食事、そして気になる箇所への重点的なセルフケア。
文字にしてしまうととてもありきたりなことですが、更年期を快適に、そして更年期後にも健康を保っていつまでも自分らしく充実した日々を送るためには、“自分の体を自分で整える”感覚と習慣を身に着けておくことは非常に重要なことです。
できることから始め、たまにサボりながらでも改善するまで続けてみてくださいね!