更年期こそ質の良い睡眠を!眠りのコツとは?

寝苦しさを感じる女性
セルフケア

更年期は睡眠にも問題が

更年期とは、閉経をはさむ前後10年ほどの期間のことをいいます。日本の女性が閉経する平均年齢は50歳といわれていますので、おおむね45~55歳の時期です。

この時期は、女性ホルモン(エストロゲン)の急激な変化の影響で、自律神経が乱れ、これまでとは異なる心身の不調、自律神経失調症状があらわれやすくなります。

更年期に起こる混乱のイメージ

更年期に訴えの多い「不眠」もその1つです。なかなか寝付けない、夜中に何度も目が覚めてしまう、異常に朝早く目が覚めてしまうなど、睡眠の質に変化を感じたり、睡眠不足によってストレスを抱えたりする方が多いようです。

また、夏はそもそも寝苦しさから、睡眠の質が落ちやすい季節でもあります。そこで今回は、蒸し暑い夜でもぐっすりと眠りやすくなるコツをご紹介いたします。

質の良い睡眠を促す栄養素「GABA」「トリプトファン」を摂る

質の良い睡眠のために、毎日の食事で摂る栄養素を意識しましょう。

旬の夏野菜は、栄養価が高く、値段もお手頃なことに加え、水分をたっぷりと含んでいて、暑さで火照ったからだを冷やす作用を併せ持つものが多いのが特長です。

特にトマトやナスには、ストレスを和らげて快眠に導く「GABA」が多く含まれています。

また、 肉類や赤身の魚、豆類などには、別名「睡眠ホルモン」とも呼ばれる「メラトニン」の材料になる「トリプトファン」が多く含まれていますので、夏野菜と組み合わせることで、おいしくてぐっすり眠れるおかずが完成します。

ちなみに、トリプトファンは、別名「幸福ホルモン」とも呼ばれる「セロトニン」の材料にもなります。

気持ちを穏やかにして自然な眠りを誘う栄養素は、食事から摂るのが理想的ですが、忙しい時などは、日々の食事の補完としてサプリメントから摂るのも選択肢の一つです。

サプリメントのイメージ

生活習慣と睡眠環境を整える

〇生活習慣
日中に適度な運動習慣をもつこともおすすめです。運動のひとつの目安は、少し息が上がる程度のウォーキングを15分ほどすることですが、ウォーキング用の時間をわざわざ作らなくても、勤め先や買い物に行く道すがら、いつもより少し速いペースで歩くのもいいでしょう。心地よい疲労感が夜のスムーズな入眠を促してくれます。

人は目覚めてから約15時間後に眠くなるといわれているので、睡眠のリズムを意識して仕事・運動・食事・入浴などの時間を設定しましょう。

〇睡眠環境
寝苦しい夜は、抱き枕を活用してみましょう。横向きの寝姿勢が、背中の蒸れを防ぐので涼しく感じます。

また、無理なく横向きの姿勢を保つことができますので、気道(口や鼻から空気を肺に取り込む通り道)を確保しやすくなり、眠りの質を落とすいびきや、睡眠時無呼吸症候群(眠っている間に呼吸が止まる状態を繰り返す)の予防に役立つという報告もあります。

寝具は自分の好みの肌触りのもので、綿や麻、絹など、汗を吸いやすく通気性のよい自然素材のものがおすすめです。

のぼせやほてりで寝汗をかいてしまう方は、着替えをベッドのそばにおいて、すぐに着替えやすい環境を整えておきます。

寝室の室温は24~26℃、湿度は50%前後、部屋の明るさは月明かり程度が眠りやすいとされています。自分の好きなアロマを香らせると、リラックス効果で入眠しやすくなります。

寝苦しい夜に便利なエアコンの温度は、悩ましいところがありますが、高め(26℃~28℃)に温度を設定し、扇風機も併用すると(壁に向けて作動させる)、冷風が直接体に当たらないので冷え過ぎを防ぎ、部屋全体を適温に近づけることができます。

更年期の不眠には、トータルケアを!

ここまで快眠のコツをご紹介してきましたが、更年期世代の不眠の原因にはいろいろなものが考えられます。

加齢そのものが不眠の原因になっていることもありますし、更年期の症状の1つである、のぼせ、ほてり、多汗などの症状があらわれ、睡眠の質を下げることもあります。また、うつ病の症状の一つとしてあらわれることもあります。

更年期は、心身の調子が傾きやすいことに加え、家族のライフステージや職場での立場の変化、親や自分の病気、老後のお金のことなど、今まで経験したことのないような出来事や悩みが次々に発生し、女性を取り巻く環境が大きく変わります。

そうしたストレスに苛まれて、不眠になっていることも考えられます。

イライラする女性

睡眠には脳の疲労を回復させる効果があり、自律神経のバランスを保つことにもよい影響を与えます。

更年期の女性は、多忙です。疲れをためない、イライラを募らせないという視点からも、日々の睡眠はとても大切なものになります。

眠れない原因を自分なりに探して、セルフケアしてみても不眠の症状が改善しない場合は、医師に相談してみましょう。

更年期に理解の深い婦人科や女性外来なら、カウンセリングや快眠環境のアドバイス、薬の処方、ホルモン補充療法など、不眠を和らげるための治療法を複数もっています。 不眠以外の更年期症状も含めて、トータルで考えてくれるはず。一人で悩み、更なる負のループにはまることのないように!

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