更年期世代が気をつけるべき歯の健康

健康的な歯
学ぶ

しっかり食べられる歯を長く保ちましょう

 しっかり噛める歯を保つことは、日々の食事をおいしく食べることにつながります。噛める歯が少なくなると、「食べたいもの」よりも「食べられるもの」を選びがちになり、栄養バランスが片寄りやすくなります。また、食べ物を噛む刺激は脳に良い影響をもたらすという内容や、しっかり噛みしめることで踏ん張りがきき、転倒防止に役立つという報告もあります。
健康な歯は、単に口の健康というだけでなく、将来にわたって全身の健康につながっていくものです。今ある健康な歯を長くキープしましょう。唾液の分泌を促し、丁寧な歯磨きを心がけることが大切です

更年期世代が特に気を付けるべきポイント

口内環境の変化

特に更年期(おおむね45~55歳)は、唾液の分泌量が減りやすくなる時期です。唾液には、浄化・殺菌作用がありますので、唾液が少なくなると口の中に細菌が増え、虫歯や歯周病にかかりやすくなります。口臭も目立ち始めます。
手軽にできるセルフケアとしては、あごの下にあるツボを押して唾液の分泌を促したり、酸っぱいものを思い浮かべたり食べたりすることが効果的です。

忙しいからこそ、歯のチェックを定期的に

更年期世代の女性は何かと忙しく、つい自分のことを後回しにしがち。虫歯や歯周病になって実際に支障がでるまで歯科に行かない、という人もいるのでは?そこは転ばぬ先の杖。歯や歯茎の健康維持のために利用したいのが定期的に受ける歯科健診です。

健診では、歯や歯茎の状態を確認できることに加え、歯ブラシの正しい使い方の指導、歯垢が硬くなってできる歯石の除去を受けることもできます。
また、部分入れ歯を使っている人は、自分の歯と同様に定期的にメンテナンスをすることが必要です。合わない入れ歯を使い続けていると、うまく噛めないだけでなく、頭痛や肩こりなどが起こったり、健康な歯を傷つけたりすることがあるからです。日々のお手入れでは、専用のブラシで優しく丁寧に磨き、歯垢を残さないようにしましょう。

大きなストレスにさらされやすい更年期。噛みしめにも注意を

更年期にはこれまで女性の健康を支えてきた、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量が急激に減少するなど、変化の多い時期。エストロゲンには、気持ちを安定させる働きがあるため、感情のコントロールが難しくなるなど、ストレスに弱くなることがあります。気づかないうちに、いつも以上に頑張り過ぎていることもあります。
もし、歯の詰め物が取れやすくなったり、歯が欠けたり、寝ている間に歯ぎしりをしていたりするようなら、歯を強く噛みしめ過ぎているのかもしれません。

噛みしめの原因がストレスだけとは限りませんが、噛みしめる力はとても強いので、過度な噛みしめによって、歯を失うことがあります。こういうときも歯科に相談してみましょう。例えば、自分の歯に合うマウスピースを作ることで、歯へのダメージを減らすこともできます。

女性の平均寿命は約87歳ですから、更年期以降も30年ほどあります。その間、食べることは毎日続きます。楽しく食事を続けるためにも、虫歯や歯周病を防いで、充実した更年期・更年期以降を過ごしましょう。

ピックアップ記事

関連記事一覧