更年期の今こそ「私の時間」をもちましょう
更年期には、心の不調が強くあらわれることが
更年期(おおむね45~55歳)は、女性ホルモン(エストロゲン)が、急激に減少する影響で、自律神経のバランスが乱れやすくなり、心身に様々な不調があらわれやすくなると考えられています。
更年期症状は、月経不順、多汗、のぼせ、腰痛、関節痛、便秘、下痢、肌の乾燥など、身体に現れる症状のほか、イライラや不安感、気分の落ち込み、疲労感など、精神面にみられます。精神面の不調は、ストレスが大きくなるほど、強く症状が出るる傾向があります。ですので、十分な休息や睡眠をとり、そのうえで、趣味などを通じて、気分転換やリフレッシュをすると、更年期の不調がやわらぎやすくなります。
ちなみに、厚生労働省が行った意識調査※では、40歳以上の男女に、「あなたにとって、老後に不安が感じられるものは何ですか」という質問に対し、「健康上の問題(73.6%)」「経済上の問題(60.9%)」に次いで、「生きがいの問題(23.1%)」という回答だったそうです。皆さん、意外と生きがいをみつけられていないものです。
※平成28年版厚生労働白書。厚生労働省ホームページより。
日本女性の平均寿命は約87歳ですから、更年期以降も人生は30年以上続きます。趣味や生きがいをもつことは、更年期の不調をやわらげるという「今」へのアプローチだけでなく、更年期以降も充実した暮らしを続けるための、大切な要素になります。これといった趣味がまだないという人も、更年期を機会に自分に合う趣味を探してみませんか?
「これをしていると楽しい!」と思えることを
更年期の女性は、家庭・仕事それぞれの場所で重要な役割を担うことが多いため、それまでの人生では経験しなかったような心配ごとや悩みを、同時にいくつも抱えることがあります。とはいえ、日常生活は待ったなしで続きますから、心配ごとや悩みから離れてゆっくりと休む時間もなかなかとれません。そうしたことからくる疲労は、心の不調にもつながります。
問題が起こった時、見通しを立てるために考える時間は必要です。しかし、ずっと休みなく考え続けていると、とても疲れてしまいますので、時には少し問題を棚上げして、「これをしていると楽しい」という趣味の時間を積極的につくることが大切です。
趣味には、スポーツをする、音楽を聴く、本を読む、TVドラマや映画、芝居を観る、コンサートに行く、アロマテラピーを楽しむ、マッサージやエステに行く、書道や華道、茶道を習う、ヨガ教室に通う、塗り絵をする、楽器演奏をする、歌う、バレエやダンス、日舞を踊る、ソーイングや編み物をする、アクセサリーを作る、語学を学ぶ、パンや和菓子など好きな食べ物屋さんやカフェをめぐる、旅行をするなど、いろいろなものがあります。
「これをしていると楽しい!」と思えるもので、いつもの生活とは少し異なる、非日常を体験できるようなものだと、より気分転換がしやすくなります。
気分転換にはお酒もよし!ただし適量を心がけて
これから年末にかけては、お酒を飲む機会が増えるという人もいるでしょう。
個人差はありますが、一般的に女性は、男性よりも肝臓が小さいことに加え、加齢とともに肝臓の機能が衰えるため、アルコールを分解するスピードが落ち、酔いやすくなります。お酒は適量を心がけることが大切です。
「節度ある適度な飲酒」としては、1日平均、純アルコール量は約20g程度とされています。主なお酒の量に換算すると
・ビール:中瓶1本(500ml)
・ワイン:グラス2杯弱(200ml)
・日本酒(清酒):1合弱(160ml)
・ウイスキー・ブランデー:ダブル(60ml)
・焼酎25度:グラス1/2杯(100ml)が目安になります。
※厚生労働省のホームページ、国民健康づくり運動「健康日本21」をもとに計算。
こうした適量を心がけるとともに、お酒を飲むときは、空腹時を避け、アルコールの代謝や分解に必要な、ビタミン、ミネラル、たんぱく質が豊富な食事やおつまみと一緒に、ゆっくりと飲酒しましょう。
おつまみは、しらす、枝豆、チーズ、卵などを使ったサラダなどがおすすめです。締めにデザートをいただくのもいいでしょう。食事の満足度を上げることで、飲酒のペースがゆるやかになり、適量を守りやすくなります。
また、お酒を飲むときに、水や炭酸水、お茶なども適度に飲むと、次の日に響きにくくなります。お酒には利尿作用がありますので、そのために失われる水分を補う役割もあります。
ちなみに、11月の第3木曜日は、ボジョレー・ヌーボー(フランスのボジョレー地区のワイン)の解禁日です。
赤ワインには、体内の活性酸素を抑えるなど、健康に良いとされるポリフェノールが豊富に含まれています。一説には、肉料理やチーズ、バターなどの動物性脂肪を多く摂っているにも関わらず、フランスの人々に健康な人が多いのは、ワインをよく飲むおかげだといわれています。
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食べ物ものお酒もおいしい秋。さらに、趣味を通じて、楽しい時間を生活に上手に取り入れながら、元気に更年期を過ごしましょう。