本当に怖い!冬のかくれ〇〇
Wで怖い!更年期世代の脱水
本当に怖い冬の隠れ〇〇、正解は脱水です。
元々、自然な呼吸や排せつによって、からだの水分は1日に2.5~3リットルほど失われているといわれています。
冬は気温が低く湿度も低いままですが、汗こそかかないものの、乾燥した空気に接して肌の水分が奪われやすいのです。しかし、汗をかかずのども乾かないこともあり、つい水分補給を怠ってしまいます。
脱水は夏に起こるものと思いがちですが、一年を通して起こる可能性があるのはこのようなカラクリです。また、年齢を重ねると、体内の水分量そのものが減少します。
からだの中で脱水が起こると、血液の濃度が上がり、ドロドロの状態になりやすくなります。
この状態だけでも危険なのですが、特に更年期以降の女性に気をつけていただきたい理由はそれだけではありません。
実は、女性ホルモン(エストロゲン)には、肌や血管、内臓も含めて、からだのみずみずしさや柔らかさを保つ働きがあります。
また、コレステロールの増加を抑えたり、血圧を上げにくくしたりする働きもあります。そのため、更年期を迎えてエストロゲンが減少すると、それまで女性の健康を守ってきた働きが低下し、動脈硬化*を起こしやすくなるといわれています。
*動脈硬化とは、加齢などの影響を受けて、血管が狭くなったり、傷ついたり、硬くなったりして、血液が流れにくくなる状態のことをいいます。
つまり、更年期以降の女性が脱水を起こすと、もともと体の中で静かに動脈硬化が起こっている可能性がある上に、血液がドロドロになるので、非常に危険な状態に陥る可能性があるのです。
もちろん、動脈硬化が更年期世代の全ての女性に起こるわけではありませんが、体の中で起こっていることは外から見えないだけに、自分の身に起こる可能性があるリスクについて知っておくことは非常に重要ですよね。
水分補給のコツは、乾く前に・少しづつ・こまめに
まずは十分に水分を補給することが大切です。「高齢者や子どもでもあるまいし…」と思うことなく、おさらいしておきましょう。
水分補給のコツは、【のどが乾く前に】【少しずつ】【こまめに】飲むこと。
デスクワークや座っていることが多い人は、水分を補給するついでに、30分から1時間に一度は立ち上がったり歩いたりしてすることもプラスしてみましょう。足の筋肉を動かすことで足にたまった血液を心臓のほうへ押し上げて、血流もよくなります。
残量がわかるタイプのウォーターボトルや水筒を利用すれば、携帯しやすく、自分がどれくらい水分補給しているのかも把握しやすくなります。
更年期で頻尿や尿漏れの症状がある方は「水分補給を控えておきたい」と思われるかもしれませんが、外出時も事前にトイレの場所を調べておくなどの対策を講じ、しっかりと水分補給をしてください。
納豆・玉ねぎ・青魚で血液をサラサラに
普段から血液をサラサラに保っておくことも大切ですね。その方法のひとつに食事があります。五大栄養素をまんべんなくとることを基本に、血栓ができにくくしたり、コレステロール値を下げたりする食材を積極的に採り入れましょう。
納豆(ナットウキナーゼ)
緑黄色野菜(ビタミンE、ビタミンC、食物繊維)
イワシやサバなどの青魚(DHAとEPA)
緑茶(カテキン)
海草(食物繊維)
お酢(クエン酸)
玉ねぎ・ニンニク(アリシン)
などは、血液をサラサラにする効果が期待できる食材(成分)として知られています。
TVなどで紹介されると一時的にスーパーから食材がなくなったりすることがありますが……継続こそが力なり、です!
どれか1つでも、毎日の食事の中に摂り入れることを意識してみてください。
また、せっかく血液をサラサラにする食材を使っても、塩分が多いと血管に負担をかけてしまいます。
だしや発酵食品、上質なオイル、お酢など、旨味のあるものと組み合わせて、塩分をとり過ぎないように工夫することも大切です。
その他、日常生活では、喫煙や肥満・ストレス・過労・運動不足などは、血液をドロドロにする要因となります。心当たりがある場合は、早めに見直すことが必要です。
脳や血管の様子は外からではわかりませんし、症状が出るまでは静かに進行するため、サイレントキラーとも呼ばれます。医療技術が向上し死亡率は減少傾向にありますが、後遺症によって、それまでの生活が大きく変わることもあります。
大きな病気も防ぐためにも、更年期を迎えたら、定期的に婦人科の定期健診と併せて、血管年齢検査や脳ドックなどを受けて、血管の状態を把握するようにしましょう。そのことを前提に、冬の脱水にもぜひ気を配ってくださいね。