更年期に多い「緊張型頭痛」にご用心
まずは、背景に大きな病気がないかを確認を!
頭痛の症状にはさまざまなものがあります。頭痛には、くも膜下出血などの〝大きな病気のサイン″という面がありますので、気になる場合は病院で検査を受けて、異常がないかを確認することが一番大切です。大げさに思われるかもしれませんが、40歳以降は常にそのリスクがある世代に入っています。
検査をしても異常がない場合、更年期(おおむね45~55歳の時期)に訴えの多い頭痛には、ストレスや首の緊張によって引き起こされる「緊張型頭痛」があります。
「緊張型頭痛」は、きつい帽子で締め付けられるような痛みがあり、眼精疲労やめまいを伴うこともあります。
更年期特有の強いストレスが、引き金に
更年期には、女性ホルモン(エストロゲン)が急激に減少し、分泌量にゆらぎがでます。すると、自律神経のバランスが乱れ、暑くもないのに汗が出る、疲れやすくなる、イライラする、眠れなくなるなどといった症状が出やすくなります。
こうした心身の不調に加えて、更年期は、女性を取り巻く環境が変化しやすくなります。子どもの進学や就職、家族や自分の病気、親や家族の介護、病院や施設探し、職場の人間関係、リストラ、相続、老後の資金など、解決したいけれど、一朝一夕に答えの見つからない複雑な出来事に遭遇します。
1つや2つなら、解決する意欲がわいてきますが、更年期には5つ6つも一気に降りかかることが珍しくありません。
女性ホルモンの減少の影響で体調が芳しくないことに加え、抱えている内容がプライベートなことだけに、誰にも相談できずに、一人で悩みを抱え込んで東奔西走し、疲れを溜め込む方もいるでしょう。
気づいたらストレッチ!を習慣にしましょう
人は、緊張すると、首や肩甲骨周りがぎゅっと縮こまる傾向があります。
首には脳からの情報を体中に伝える自律神経が集まっています。肩甲骨は首や肩につながる筋肉とつながっていますので、これらの部位が硬くなってしまうと血行が悪くなり、「緊張型頭痛」を引き起こしやすくすると考えられています。
そこで、日頃の習慣にしたいのが、首や肩甲骨周りのストレッチです。首を前後左右にゆっくり曲げたり、肩をゆっくり上げ下げしたりすると、ほぐれやすくなります。肩甲骨周りは、腕をぐるぐると大きく回すだけでも、ほぐれやすくなります。
忙しいと、人は同じ姿勢をとりがちです。「1時間ごとにストレッチをする」などと自分でルールを決め、こまめに首や肩甲骨周りを動かすように心がけましょう。
また、頭痛は、「頑張り過ぎないで!」「少し休みましょう」という体からの声かもしれません。多忙な更年期世代の女性にとっては、休息をとること自体が難しいかもしれませんが、積極的に体を休めることも、この時期は立派なセルフケアになります。
もし、時間がとれるようなら、趣味を持つこともおすすめです。なかなか出口の見えない問題を抱えると、そのことばかりを考えてしまいがちです。同じことを考え続けるのは、脳の負担になりますし、気持ちもふさぎやすくなります。
音楽や運動、観劇やグルメなど、なんでもかまいませんので、別のことを考えて、積極的に気分転換しましょう。自分の好きなことだけに集中したり、ときめいたりする時間をもつことで、脳の疲れが緩和され、自律神経のバランスにも好影響でしょう。